効率と遊び心が共存する、ハンドメイドバイクの裏側

日本から自転車持っていく?

出発前、ずっと悩んでいたのは「自転車を持っていくかどうか」でした。飛行機に乗せて運ぶのは大変だし、壊れるリスクもある。お気に入りの自転車はだいぶガタがきてて、壊れそう。でも、新車で買うと、旅の予算が大幅に削られてしまう。最終的に出した結論は、ポートランドで中古の自転車を買うことでした。読者のみなさんもご存知ですよね。

それでも、新車の候補として気になったのが自転車ブランド「Bike Friday」。旅や荷物の積載に適した設計で、フルカスタムのハンドメイドバイクが作れることが魅力でした。自分の体格や用途に合わせてモデルを選べる点や、モデルによっては折りたたんでキャリーケースに収納できる点がユニークです。(※1)

どうやってつくられているんだろう?旅での出会いに背中を押されて、滞在のラストに「Bike Fridayに行こう」と決断。次いつ同じ機会が来るかわからないから、今、行くしかないと思ったんです。

案内人のフレイダさん

この日案内してくれたフレイダさん。メールのやりとりから工場の案内まで、ゆっくり平易な英語で話してくれました。ユージーン滞在の時間は限られており、電車の遅れが心配でしたが、「もしもの時は連絡してね」と声をかけてくれました。

工場がやけに静かだ・・・

到着してみると、工場はお休みでした。溶接の様子を見てみたかったな。BlueLugさんの工場見学の動画が一番わかりやすいので、このブログでは1つ1つ紹介はせず、見学の気づきを書きますね。

手仕事なのにシステム化されている

一般的に台湾で作られるような自転車の大量生産(OEM)では、たくさんの同じ自転車を作るために、作業を分けて行います。対してBike Fridayは、一点ものの自転車をハンドメイドで作りながらも、まるで大量生産工場のように正確で効率的。

こちらの黒いトートは、注文ごとにパーツをまとめたものです。自転車は多くのパーツからできており、注文書を見ながらパーツをポケットに入れて整理していきます。ヘッドセット、ステム、クランク、ペダル、ボトムブラケットなど、必要な部品があるかどうか、一目で分かります。

さらに、この工場でハンドメイドされたフレームやフォークなど骨組みとなるパーツも注文書ごとにラックに掛けられ、トートの内容と合わせれば、誰でも正しく組み立てられる仕組みです。

Bike Fridayの自転車は、服でいうパターンオーダーに近く、ベースモデル(ツーリング用、ロード用、タンデムなど)のフレーム設計を顧客ごとに調整・カスタムします。、各顧客に最適化された自転車を作りつつ、無駄のない効率も実現していることに驚きました。

作る楽しさを知ってるフレイダさん👩‍🏭👍

フレイダさんが、「私もラック(荷台)を作るんだけど、けっこう楽しいのよ〜!」って微笑んだ。広報や事務の方かと思いきや、金属の棒を折り曲げてラックを作る姿がインスタにも投稿されていました。かっこよすぎる。(※2)

効率的な仕組みがあるからこそ、作る側も長く続けられる。今回は仕組みの方に注目しましたが、今度は乗ってみて、その魅力をもっと感じてみたい。


(※1)画像引用元:Bike Friday 「All-Packa Bikepacking Bike」
https://bikefriday.com/product/all-packa-bikepacking-bike/

(※2)画像引用元:@bikefriday_official(Instagram)
https://www.instagram.com/p/DK3K5feh4yF/